Mustakiviのてぬぐい第6弾
2023.07.20
- Journal
2023年初夏のてぬぐいが、オンラインストアでも発売となりました。「花しょうぶ」「レモン」「すきすき」「きまま」の4種。デザインを手がけた石本藤雄さんにお話を伺いました。

フィンランドでも眺めた花をてぬぐいに
石本藤雄さんが、毎回4種のてぬぐいをデザインし、その世界観をお届けしている、てぬぐいシリーズ。2023年初夏に発売された今作は第6弾にあたります。第5弾は椿を中心としたコレクションでしたが、その製作を終えてから、次のてぬぐいのデザインを頭の中に巡らせていたそうです。
「椿の次も、その季節の花をと思ったのですよ。それで花しょうぶ」

CHUSEN てぬぐい 花しょうぶ
菖蒲(あやめ)、菖蒲(しょうぶ)、杜若(かきつばた)。5月から7月にかけての季節を彩るこれらの花は、日本で暮らしていれば馴染み深いものではないでしょうか。石本さんに思い入れがないのか尋ねたところ、「ない」と言いながらも、故郷の記憶を語ってくれました。「子どもの頃ね、菖蒲(あやめ)は、いつも決まったところ、ちょっとしたところに花が咲いていたよね」
フィンランドに渡ってからも、家の近くで咲いていた菖蒲(あやめ)に足を止め、写真を撮っていたという石本さん。レリーフの題材としても選んだことがあり、作品として発表しています。

フィンランドで制作した陶器のレリーフ作品

ヘルシンキにて撮影した菖蒲(あやめ)(2018年5月。石本さん撮影)
石本さんにとっては、身近な花であったことが伺える菖蒲(あやめ・しょうぶ)。てぬぐいにするにあたり、元とした原画は手のひらに収まる小さなものでした。それを拡大して配置を決め、色を塗り、その色に近い色を再現するように、てぬぐいの製造元・かまわぬに依頼しました。
石本さんとしてはあまり手を加えず原画を活かしたデザインであり、「普通の写実的な菖蒲(あやめ)の表現だと思いますよ。そこからスタートして、色を埋めただけです」と語ります。

手のひらサイズの原画

トレーシングペーパーに拡大して、着色。
てぬぐいという決められたサイズの中に、大きくのびのびと配置された花しょうぶ。掛け軸のように飾ってお楽しみいただけます。OKSAてぬぐいバーBEECHが便利です。

ネーミングは、「花しょうぶ」に。
バイカラーてぬぐい第2弾「レモン」
季節の花を題材にするということに加えて、もう一つアイデアがあったという石本さん。
「前回のてぬぐい “もくれん” の第2弾を色違いで出したいと思っていました。半分色違いでパキッとしたものをね。それで、花しょうぶとのバランスや季節も考えて、レモン色に」

CHUSEN てぬぐい レモン
もくれんは、第5弾のてぬぐいシリーズで発表したデザイン。鮮やかなピンクが印象的でした。単体でもお楽しみいただける上、てぬぐいコレクションで、4種並べた時には差し色になっています。

第5弾のてぬぐいの一種「もくれん」
バイカラーといえば、マスキングテープも同じ世界観。色のセレクトが肝要な、シンプルで普遍的なデザインです。

マスキングテープNAKAYOSHI
爽やかで明るいレモン色。掛けても良いし、敷いても使いやすく、空間の印象を変えることができる便利な一枚です。



ティッシュケースの敷物としても活躍
手あそびから生まれた「すきすき」
ブルーの地に小さな白いハートが散りばめられている「すきすき」。このデザインは、ふとしたところから生まれました。
「僕は何も意図していなかったけれど、マジックペンの頭で、ボンボンやっていたら、Mustakiviの皆さんがハートに見えるっていうことで、こちらもてぬぐいに」

CHUSEN てぬぐい すきすき
トレーシングペーパーを広げて次の制作のアイデアを描いていた石本さん。何気なくマジックでトントンと叩くように点を打っていたら、てぬぐいにぴったりなデザインに仕上がったという、無心の境地から生まれたデザインです。

トレーシングペーパーは、フィンランドで愛用していたものを取り寄せて使っている。
白いハートのようにも、花びらが舞うようにも見えます。このデザインに「すきすき」と名付けた石本さん。大切な人へ、「好き」の気持ちを送るツールとしてぴったりです。

店舗では、「すきすき」の反物を展示中。フォトスポットとしてもお楽しみいただけます。

ランチョンマットのような使い方も。気軽に洗えるので便利

どんなシチュエーションにも馴染み、愛着を感じるデザイン
自由気ままを線で表現「きまま」
ビビッドな4色の線が並ぶ「きまま」。赤、黄、緑、青の線が、一定の順番ではなく、ランダムに並んでいることから、自由気ままな「きまま」というネーミングになりました。

NASSENN てぬぐい きまま
はじまりは、赤、青、緑、黒の4色のペンで描いた線。その線をてぬぐいに配置して、線の太さや間隔のバランスを整えていきます。最終的には、黒の線を黄色に変更したことで、より明るく元気な印象になりました。

下側左がアイデアの段階。下側中央が原画。この線を元に黒を黄色に変更して整え、出力したものを貼り合わせたのが右側。上は原寸大の出力。
線のみで構成される一見シンプルと思われるデザインですが、この線の細さやビビッドな色、線の間隔といったデザインの特徴を表現するために、染色方法を捺染(なっせん)にしました。捺染とは、顔料や染料を直接生地に刷る、昔からの伝統的な染め方。注染よりも複雑な柄を表現できることが特徴です。職人が手作業で丁寧に染める「手捺染」で染めています。
捺染の生地は特岡と呼ばれる浴衣にも使われる生地で、ハリ感があり、さらっとする感触、染めの発色が良いという強みがあります。注染シリーズとはまた違う質感をお楽しみいただけます。
吊るして風に揺れる様は、涼を呼びます。
風の吹くまま、自由気ままに。そんな気持ちを盛り上げてくれる一枚です。

夏こそ、てぬぐいが活躍
日差しが強く汗ばむ季節。バッグの中に、てぬぐいが1枚あると便利です。手を拭いたり、首にかけたり。吊るしておくとすぐ乾くため、布巾やランチョンマットなど、キッチン周りで使うのもおすすめです。

吸水性抜群で、布巾や手拭きに
第6弾のてぬぐいも自信作ばかり。いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)(※)という言葉があるように、甲乙つけ難いコレクションです。
ぜひ、お気に入りの一枚を見つけてお楽しみください。
※どちらも優れていて優劣がつけにくいこと