Lumilinna / Snow Castle|Oiva Toikka|2010
Designer: Oiva Toikka
Year: 2010
Size: Φ13 × H33 cm
Maker: iittala / Nuutajärvi
Sign: Oiva Toikka Iittala 2010 23/50
Lumilinna(ルミリンナ)。
フィンランド語で「雪の城」を意味します。
2010年、iittalaのArt Worksコレクションとして発表された作品で、わずか50点のみ制作されました。
このシリーズについて、オイバ・トイッカは当時、「これまで取り組んできた仕事を振り返りながら、今もなお自分を惹きつけるテーマを形にしたかった」と語っています。
その源流のひとつにあるのが、1960年代の《Pampula》シリーズです。
ただし、オイバにとって作品は完成するものではなく、常に変化し続けるものでした。
《Lumilinna》もまた、過去の仕事を繰り返すのではなく、新たな素材や表現を通して生まれた作品です。
透明ガラスや白いガラスを用いたこのシリーズは、制作そのものも容易ではありませんでした。
とりわけ白いガラスは繊細で、完成までに複数の職人の高度な技術を必要としたといいます。
同シリーズにはクリアガラスのタイプも存在しますが、私自身はこのフロストタイプに強く惹かれます。
雪や氷を思わせる柔らかな質感。
光を静かに受け止める白。
そこには北欧の冬の空気や、雪に覆われた風景の静けさが宿っているように感じます。
何気ない場所に置くだけで、空間の表情を少し変えてくれる作品です。
Oiva Toikka(オイバ・トイッカ)|1931–2019|FINLAND
フィンランドを代表するデザイナーのひとり。「Kastehelmi(カステヘルミ)」や「Birds by Toikka」をはじめ、多くのプロダクトやアート作品を生み出しました。鮮やかな色彩や大胆な造形で知られる一方、その創作の背景には民俗芸術や古代文化への深い関心がありました。戦後フィンランドデザインが機能性や合理性を追求するなかで、オイバはむしろ、ユーモアや偶然性、人間らしい不完全さに魅力を見出していました。
「私はそれを仕事とは呼ばないね。楽しむことが好きなんだ。」
83歳のときに残したその言葉の通り、彼の作品には自由な発想と遊び心が息づいています。石本藤雄とも親交が深く、互いの作品を暮らしのなかで愛用していました。
iittala / Nuutajärvi(イッタラ/ヌータヤルヴィ)|FINLAND
Nuutajärviは1793年創業の、フィンランド最古のガラス工場のひとつです。1950年にARABIAと同じWärtsiläグループの傘下となり、カイ・フランクをアートディレクターに迎えたことで、フィンランド・ガラスデザインの黄金期を築きました。1988年にはIittalaと統合され、2014年にガラス生産は終了。オイバ・トイッカをはじめ、多くの名作がこの地から生まれました。