夏を爽やかに過ごす、石本藤雄の新作てぬぐい

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夏を爽やかに過ごす、石本藤雄の新作てぬぐい

石本藤雄・2026年夏てぬぐいのご紹介です。
 
夏に涼を呼ぶ4つの新作てぬぐい。今作は、自然や風景を、まるで鳥の眼で眺めるかのように、俯瞰したり近づいたりと、視点を変えながら生き生きと描いた「パノラマコレクション」となっています。

のどかな村の風景を描いた「ヴィレッジ」は、「朝」(白)と「夜」(紺)の2種。そして、力強く元気な夏の花を描いた「ひまわり」、美しい茶と白のボーダーデザイン「こはく」が加わり、夏らしさを存分に感じさせるラインナップとなりました。
 
石本本人が語る、デザインの背景にある想いとともにご紹介します。

どこか懐かしい、のどかな村の風景「ヴィレッジ」

石本の心に浮かぶ、のどかな村の風景を描いた「ヴィレッジ」。背の高い針葉樹や、丸やハートの実をつけた木々、地面から伸びる草花と並んで、個性豊かな家々が建ち並んでいます。その合間からひょっこりと顔を覗かせているのはウサギや鳥たち。遊び心に溢れ、見れば見るほど想像が膨らむデザインです。これまでに石本が手がけたてぬぐいは、植物や幾何学模様が多く、動物や建物が登場するのは今回が初めてとなります。
 

白地に紺の線で描かれた「ヴィレッジ朝」は、清々しい朝の空気を感じさせる。

実は、アイデアの初期段階では、地面となる横線はなく、家や木々が自由に描かれていたそうです。
 
「この時はね、結局、こういう家とか花とかをまとめるために、横線を入れたの。横線っていうのはランドスケープ(風景)になるんですよ」
 
石本が語るように、横線を入れたことで、なだらかな丘が連なり、そこに家々や木々が立ち並ぶ風景に見えてくるから不思議です。絵の中に奥行きが生まれました。

紺地に白の線で描かれ、夜の静寂を感じさせる「ヴィレッジ夜」。空が開けていて、星や月が今にも覗きそうだ。

この絵は、果たして、どこの村なのでしょうか。
 
「日本ではまずないです。フィンランドでもない、どこかの国の風景です。でもどこの国もね、田舎に行けば、ニワトリがいて、ウサギもいるでしょう」
 
ニワトリは、石本が子どもの頃に世話をしていたというエピソードがある親しみ深い鳥。外を元気に駆け回り、夜になると戻ってくるーー。そんな愛らしいニワトリの姿が「ヴィレッジ 夜」には、描かれています。
 
一方、フィンランドでは、野ウサギをよく目にしたそうです。
 
「昔、アラビア社の裏手は野原だったんですよ。そこにウサギが繁殖して、ヘルシンキ中に増えた。ウサギはポジティブでしょう。ネガティブじゃないよね。嫌いな人はあまりいないと思う」
 
誰からも愛されるウサギをヴィレッジの一員として風景に描きました。ひょっこり並んだ2匹は、実は兄弟なのだそうです。
 

仲良く並ぶウサギの兄弟。注染ならではの、揺らぎのある線に独特の味わいがある。

平屋や2階建て、煙突の有無や屋根のディテールまで、一軒一軒ていねいに描き分けられた建物が、村のあたたかな景観をつくっています。「自分ならば、どこに住もうか」「この道を歩いたらどんな気持ちだろう」と、想像が膨らむ、眺めて、持ち歩いて、楽しいデザインです。
 

「もし、住むとしたら?」という問いに対して、石本が選んだのは、中央の平屋の家。アトリエが併設できそうだ。

夏の光を浴びて咲く、ビタミンカラーの「ひまわり」

太陽に向かって真っ直ぐ咲く、大輪のひまわり。夏を象徴する花ですが、石本のこれまでの作品にはあまり登場していませんでした。さほど関心がなかったのでしょうか。
 
「いや、そんなことないよ。ひまわり畑って素晴らしいじゃない。ヘルシンキの場合、観賞用のそういうところに行けば、誰でも摘んでいいわけね」
 
今回の図案は、石本が過去にグラフィックデザインのアイデアとして描いていたものから、3つの異なるひまわりを並べたものです。

切り絵のように、シンプルでグラフィカルな造形が目をひく。

このデザインは異なる色同士の距離が近いため、注染では難しく、捺染という方法でプリントされました。色の指定がそのまま鮮やかに再現され、石本の思い通りの仕上がりになっています。
 
「原画では、花の中央が濃いですよね。でも、もっと元気な感じを出したくて、こういう明るい色にしたんです。はい、夏です」
 

上が原画。中央を明るいオレンジに変更したことで、ビタミンカラーの元気溢れる配色に。

石本にとっての、ひまわりの記憶を語ってくれました。
「フィンランドでは、道すがらにひまわりが時々あるんですよ。それがどんどん大きくなるのが、すごく楽しみでした。家の近くの散歩道でも、一本バーっと成長していたのだけど、もうすぐ開くだろうというところで、ある日、誰かがパッと摘んでいってしまった。あれはもう残念だよね」
 
あの日、見ることができなかった花の姿。だからこそ、今も鮮明にこのエピソードを覚えています。その花が、てぬぐいの白い生地の中で、時を超えて咲きました。手にするだけで、心が明るくなる、力強いデザインです。
 

永遠のテーマに挑む、夏のシックな縞模様「こはく」

茶色と白の潔い縞デザイン「こはく」は、その名の通り琥珀色から名付けられました。
 
これまでも「空」や「KIITOS」といったてぬぐいをはじめ、ショップカードやメッセージカード、包装紙など、数々の縞デザインを展開してきた石本。縞には並々ならぬ思い入れがあります。
 
「縞っていうのは、僕の一つのね、テーマとして続けたいんです」

琥珀色と白の太い水平ボーダーで構成されたミニマルなデザイン。「ひまわり」のてぬぐいと並べると豊かな大地を彷彿とさせる。

ショップカードの縞デザイン

「こはく」の新たな試みは「色」でした。 これまでのMustakiviのてぬぐいでは、あまり使われてこなかった茶色を選んでいます。

「難しいよ、茶色っていうのは。使いにくい色」
 
石本が語るように、ひとくちに茶色と言ってもさまざまな色彩があります。てぬぐい「夜のとばり」では、深い色味の茶色でしたが、今回は「夏」を意識して、赤味を抑えた絶妙なニュアンスの茶色が選ばれました。
 
「色によっては暑苦しく感じるものもあるじゃない。これにはそういうのがないよね。暑くもなく、寒くもなく、本当、この色合いだと真夏でも大丈夫でしょう。すごくいいと思うよな、これ」
 
ノートパソコンの手前に、ランチョンマットのようにてぬぐいを敷いて休憩するというのが、石本の最近のお気に入りで、季節や気分に合わせて柄を変え、雰囲気を変えて楽しんでいます。「こはく」は、パソコンのスタイリッシュなシルバーとの相性が抜群なのだそうです。
 
「なんか、本当、これいいな」
 
石本自身も太鼓判を推すほどシンプルなデザインは、使うシーンを選びません。この夏、最も出番が多くなりそうな頼もしい1枚です。

日常に涼を呼ぶ、てぬぐいのある暮らし

てぬぐいは、アートのように壁に掛けて空間を明るくしたり、拭く、敷く、巻く、包む、そしてテーブルランナーとしたりと、多用途に使える暮らしの優れものです。

落ち着いた紺色の「ヴィレッジ夜」を白い壁に飾れば、空間を引き締めるアクセントに。

明るい「ひまわり」を布巾として使えば、夏の水仕事が楽しい時間に変わる。

「ヴィレッジ朝」をガラスジャーの下に敷くだけで、涼やかで爽やかな雰囲気に。

水分をよく吸い、すぐに乾く、てぬぐいは、グラス拭きにも最適。「こはく」のシックなカラーがキッチンに映える。

梅雨の急な雨に濡れた時もサッと拭くことができ、日差しが強い時には日除けとしても活躍するてぬぐい。持ち歩くと便利です。窓辺に吊るして、風にゆらゆらと揺れるその姿を眺めるだけでも、不思議と涼を感じられます。

この梅雨、そして本格的な夏のお供に、お気に入りの1枚を迎えてみませんか。

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